なかなか忙しくて、日記を書く機会がなかったのですが、大学卒業後に就職した時の会社社長がお亡くなりになり、ご遺族より手紙を頂戴しましたので、これを期に日記を始めたいと思います。
謹啓
このたび図らずも他界致すことになりました。生前中は貴方様には格別のご縁を頂戴致しましたことを心よりお礼申し上げます。
厚かましくも、見る程のものは見、聞く程のことも聞き、するべきことも概ねやり、後悔すること少しも無く、誠に愉しい今生でございました。貴方様にも私同様の人生をお送りされますようお祈り申し上げます。
さて私、これより彼岸から貴方様のお手伝いを致したいと存じます。万一お困りの時には是非お呼びかけ下さい。霊など見えないものの存在を信じない方も一度試してみられては如何でしょうか。
終りに貴方様の今生のご多倖をお祈り申し上げ、お別れのご挨拶とさせて頂きます。
合掌
平成28年2月23日
山本真照
と云うお別れの手紙を頂戴しました。
一昨年の年末に大阪市梅田のホテルにて、社長が全ての会社の役員から身を引いて引退すると云うことで、旧社員を招いて引退慰労パーティを開催されました。しかしながら本人はドクターストップ(社長その席でお酒をしこたま召し上がるでしょう。それは絶対ダメですと医者に言われ、家族にも引きとめられたとの事です。)がかかり、グループの会社を含めご縁のあった旧社員が約80名出席する中、主役の社長は出席出来ませんでしたが、それぞれ皆で旧交を温める事が出来ました。「次の集まりを企画して、何とか出席するのでその機会を待っていて欲しい。」と云う社長の言葉が代読されましたので、次の機会を楽しみにしていたのですが、残念なことになってしまいました。
まだ新入してから2年目位の頃、社長から社員全員に「今後どう云う方向付けをすればこの会社を良くすることが出来ると思うか、それぞれレポートにして提出しなはれ。」と云う宿題を与えられた事があります。提出後、忘れた頃に擦れ違いざま社長から、「レポートを読んだ。あんた社長をやりなはれ。」と言われた事を憶えています。あの時頂いた何げない一言は私の心の棲みついていたのだと思います。今、言われた通り、やっとの事でしたが小さな会社を興しました。今すぐにでも社長にお願いしたい事がテンコ盛り状態なのですが、しかし自分で何とか解決した後に、墓前において面白おかしく報告したいと思います。「お前らくらい、ワシが食わしたる。」と言って、穴を掘って来るような社長でした。会社が傾いた時の債権者集会で、怒号など一切飛び交いもせず、会社を倒産させずに畳まれたとの事ですので、債権者からも愛されていた事が伺えます。以後、そのような心意気を持った人には、残念ながら出会えておりません。
最初の日記でまだゆかりのない方にお伝えする内容ではないのかもしれませんが、人に生れてご縁を頂いた方、親兄弟も勿論大切なのですが、このような名物社長に出会えた事に感謝しながら、これからの人生を頑張る所存です。
平成28年4月17日
株式会社たけのこ不動産
新澤三男
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