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日記
台風10号を避ける船

 台風10号が広島に来ると云う事で、土産物を買いに呉市に行く途中の朝方、第二音戸大橋の展望台から海を眺めましたら、台風10号を避ける為に、航路を避けて船が停泊していました。

 

 高速代を節約する為、夜の11時半過ぎに再度第二音戸大橋の展望台へ行きましたら、その数が増えていました。新しい場所に船の明かりが見えます。日頃見る事のない、台風からの船の避難方法でした。

 

 うちの親父さんも船乗りでした。機関長をしており、いつもエンジン音を聞いていたせいで晩年は耳が遠くなってしまいました。職業病です。第二次大戦でロスケ(父曰く)に捕まり、捕虜として労働をさせられていたとの事です。強制労働中にトロッコの事故で顔を挟まれ顎の骨を割ってしまい、帰国後母とお見合いをした時は、ほぼ金歯で獅子舞のような男だったと母は申しておりました。今回、ボケが進行した母が迷惑をかけてしまった町内の家に、お詫びの品を持って行きましたところ、奥様曰く、その家のご主人(船長)と父(機関長)は同じ船に乗っていた仲間と云う事でした。次の日の朝早くご主人がやって来て、「お詫びの品とか受取れない。同じ釜の飯を食った仲間だよ。年を取ればボケるのは仕方がない事だよ。」と言って下さり、結局お詫びの品は返却されて帰ってしまわれました。頭の良かったひとじゃったと、父を褒めて下さいました。親父を貶した事のある人はボケる前の母だけで、他人は皆親父を褒めます。そう言えば葬儀の時にビックリする位の人が参列してくれました。

 

 桟橋に一人座って海を見つめて思いつめていた時に、お父さんに話しかけられて嬉しかったと仰って来られた見知らぬお年頃の娘さんの話とか。聞いた事の無い親父の話がてんこ盛りな葬儀でした。人間死んだ時に価値が分かるんだなと思った次第です。

 

 死ぬと云う事で、最後の通信簿に世の中からの評価が付けられます。ちゃんと生きてから死ぬ事が大事なのだと、親父さんの死から学びました。

投稿日:2019/08/15   投稿者:新澤 三男